命題8
等しくない量のうち、大きい量は小さい量が持つより大きい比を同じ量に持ち、同じ量は大きい量に持つより大きい比を小さい量に持つ。
ABとCを等しくない量とし、ABを大きいとし、Dを他の任意の量とする。
ABはCがAに持つより大きい比をDに持ち、AはAがABに持つより大きい比をCに持つことをいう。
ABがCより大きいから、Cと等しいEBをつくる。それからAEとEBの量の少なさは、倍数ならば、結局Dより大きくなるでしょう。(definitionX.4)
最初に、AEをEBより少なくする。AEを倍数とし、そしてFGをDより大きい数の倍数とする。FGがAEの倍数であるようにGHをEBの同じ倍数に、KをCの同じ倍数につくる。
とられる数がKより大きい第1の倍数Dであるまで、LにDの2倍をMにDの3倍をとり、1ずつ増え続ける倍数をとる。それをとられるとし、それをDの4倍でKより大きい第1の倍数であるNとする。(definitionX.4)
Kが第1のNより小さいから、それゆえにKはMより小さくない。
そして、FGはGHがEBの倍数であるようにAEの同じ倍数であるから、それゆえにFGはFHがABの倍数であるようにAEの同じ倍数である。propositionX.1
しかしFGはKがCの倍数であるようにAEの同じ倍数であり、それゆえにFHはKがCの倍数であるようにABの同じ倍数である。それゆえにFHとKはABとCの同倍数である。
もう1度、GHはKがCの倍数であるようにEBの同じ倍数であり、そしてEBはCと等しいから、それゆえにGHはKと等しい。
しかし、KはMより少なくなく、それゆえにGHもMより少なくない。
そしてFGはAより大きく、それゆえに全体FHはDとMの和より大きい。
しかしDとMの和はNと等しく、MはDの3倍であり、MとDの和はDの4倍であるから、NがDの4倍でもあるとき、それゆえにMとDの和はNと等しい。
しかしFHはMとDの和より大きく、それゆえにKがNより大きくないとき、FHはNより大きい。
そしてFHとKはABとCの同倍数であり、Nが他の、任意の、Dの倍数であるとき、それゆえにABはDにCがAに持つより大きい比を持つ。definitionX.7
次に、DはCにDがABに持つより大きい比を持つことをいう。
同じ解釈で、NがFHより大きくないとき、NはKより大きいことを似たように証明できる。
そしてNがDの倍数であり、FHとKが他の、任意の、ABとCの同倍数のとき、それゆえにDはCにDがABに持つより大きい比を持つ。definitionX.7
次に、AEをEBより大きいとする。
それから小さいEBが、倍数ならば、結局はAより大きくなるでしょう。(definitionX.4)
それを倍数とし、GHをEBの倍数とし、Dより大きいとする。FGをAEの同じ倍数につくり、KをGHがEBの倍数であるようにCの同じ倍数につくる。
それからFHとKがABとCの同倍数であり、似たように、NをFGより大きいDの第1の倍数にとり、つまりFGがMより少なくないことを似たように証明できる。(definitionX.4)
しかしGHはDより大きく、それゆえに全体FHはDとMの和、つまり、N、より大きい。
さてKはNより大きくなく、FGもまたGH、つまり、K、より大きいから、Nより大きくない。
そして同じ方法で、以上の論議を続けることによって、証明を完成する。
それゆえに、等しくない量のうち、大きい量は小さい量が持つより大きい比を同じ量に持ち、同じ量は大きい量に持つより大きい比を小さい量に持つ。
証明終了